ECMOプロジェクト
筑波大学附属病院では重症呼吸不全(呼吸状態の重篤化により、人工呼吸管理などの高度な集中治療を要する状態、ARDSを含む)に対して、様々な条件の人工呼吸を用いた治療に加えて、体外心肺装置を用いた治療を行っています。これらの装置はExtracorporeal membrane oxygenation(ECMO)とよばれ、機械が心臓と肺の役割を果たします。具体的には、ポンプで体内から血液を膜型の人工肺に誘導し、十分な酸素を付与して体内に戻す装置です。
これまで日本国内では、対応できる施設が限られ、症例数も少ないため、このECMOを用いた治療成績が未だ明らかにされておりませんでした。そこで、日本呼吸療法学会が主導して、『ECMOプロジェクト』を計画しております。これは全国のECMO症例をデータベースに集めて、日本独自の成績と問題点を抽出し、重症呼吸不全に対するECMO治療成績向上をもたらすECMO管理システムを構築することを目的としたプロジェクトです。筑波大学附属病院は本プロジェクトに参加しています。
治療上ECMOが必要になった患者様の貴重な臨床データについて、日本国内におけるECMO治療の現状の把握と、治療成績の向上のため、本データベースに登録させていただきたいと考えております。