International Emergency Medicine (開発途上国における救急医療システムの構築支援)

近年、開発途上国においては、交通外傷や心疾患・脳卒中等の非感染性疾患の急激な増加が認められる。また同地域においては自然災害や感染症の流行等の公衆衛生危機に曝される事も少なくない。しかしながら、同地域における救急医療システムの整備は先進国と比較し大幅な遅れを取っている。
上記の背景を踏まえて、当科ではASEAN諸国を中心に開発途上国に対する継続的な支援実施による、防ぎ得た死亡の減少、後遺症の軽減を目指した活動を展開している。

・人材育成(研修受け入れ、専門家派遣)
国立国際医療研究センター病院(救命救急センター)、国士舘大学大学院(救急システム研究科)等の国内機関と連携して、新興メコン諸国(ラオス、カンボジア等)からの研修生受け入れ、現地への専門家派遣を通じた、救急医療人材育成に関するプロジェクトを実施している(医療技術等国際展開推進事業など)。
また、ソウル大学校、シンガポール国立大学、国立台湾大学等の海外機関と連携して、ASEAN諸国における救急・災害医療に関する標準化コースの実施、救急医療の質向上を目指した活動を行っている。
*海外からの医療関係者(医学生含む)が当科での研修受入れを希望される場合、まずは当院の国際医療センター(http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/imc/)までご連絡ください。

・研究活動
本学の国際社会医学研究室と連携して、開発途上国における効果的な救急医療システムの構築による交通事故死減少に関する研究を行っている。
アジアにおける外傷死減少を目指した多施設多国間共同研究 Pan-Asian Trauma Outcome Study (Asian Association for EMS学会主導)にも参加している。